光が消えていってしまう君へ

視力

今日は、ある族から、挑戦状を出されて、煽られていた。

ただ、そんな煽りに乗る俺たちではなかったが、その族が、今まで残虐な事ばかりしていたから、その喧嘩を買うことにした。

今日は体調が悪い気がするけど、大丈夫だろ。

そんな軽い気持ちで喧嘩をしていた。




暗い。




光が見えない。


「紫都!何ボケッと突っ立ってるんだ⁉」


藍斗の怒鳴り声。


「紫都どうしたの!?」


黒羽が心配している。


「総長がボーッとしてどうすんの!????」


滅茶苦茶気弱な浅葱。


「ビビってるんですか~?」


煽ってくる琥珀。


「なっさけない。」


毒を吐く紅香。



声だけが聞こえる。


何も見えない。




これが、俺の末路か...?

視力を失った世界?

そう考えると、一気に怖くなった。

本来の俺は、総長なんかをやれるほどメンタルが強くない。

むしろ弱い

普段は、強がってるだけ。

このまま、大事なものが見えなくなりそうで怖かった。

こんな事になるくらいなら、紗和と一緒にいたら良かった。

見れるだけ見とけばよかった。

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そのまま、俺は、気絶した。
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