光が消えていってしまう君へ

入学式

今日は、待ちに待った入学式だー!

どんな人がいるのかな~

制服を着て登校楽しみだったんだ~


「「行ってきまーす」」

「お兄ちゃんって転校っていう扱いなんだよね?」

「そうだけど」

「どうした?」

「いや~。私は入学式に行くけど、お兄ちゃんはどういう扱いなのかな~って」


東京の学校って綺麗な人いっぱいいるんだろうな~。

友達出来るかな...


「じゃあ、バイバーイ。また下校の時にね~」

「ん。」


紫都もだったけど、お兄ちゃんも返事の時に『ん。』っていうよね。

ま、いいや。

ガラッ。

教室に入ると、やっぱり視線が突き刺さる。


「こんにちは!」

「え、あ、こんにちは。」


頑張って挨拶したらびっくりされてしまった。


「えと、よろしくね。私は天瀬紗和って言います。」

「よろしくね。私は、三神亜梨紗って言います。」


もしかして...


「ねぇ、亜梨紗ちゃんの「さ」ってこの、いとへんに少ないっていう字?」

「そうだよ?どうしたの?」

「私もその字なんだ~」


初めて喋った子と名前の字で共通点があったなんて!

運命かも?


「仲良くしてね~」

「うん!」


東京初の友達ゲット~


「私ね、今年に東京に引っ越してきたんだぁ。」

「そうなんだ!分からないことがあったら聞いてね。」

「うん!」


初めてのお友達が優しくて涙が出てきそう。

うれしいな~。

お兄ちゃんに自慢だ!


「私ね、三年生のお兄ちゃんがいるんだ~」

「へぇ~」

「私は一人っ子だからうらやましいな。」

「仲いいの?」

「うん。お兄ちゃんは軽くシスコンだし、私も結構甘える感じだから、つり合いが取れてるのかも。」

「へぇ~」


ちょっとビックリされてる。


「そういえば、今までどこにいたの?」

「え~っとね、京都だよ。」

「関西弁じゃないんだ。」

「お母さんもお父さんも東京育ちだからね」

「そうなんだ!」
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