光が消えていってしまう君へ

紫都

体育館の扉が開いた。

中にはすでにたくさんの人がいた。

二年の先輩と思われる人も。

(ちゃんと時間通りに来るんだな。)


「俺らを待たせるなんていい度胸してんじゃん。」


(どう聞いてもヤンキー!!!!)

こっわ~

えっ?


「紫都?」


噓でしょ、さっき喋った人の斜め前に紫都がいる!?

まさかが本当になってしまった~!

どゆこと?

しかも、めっちゃ目が冷たい!

超絶イケメンになってるけど!


「おい、お前なんで総長の名前知ってんだ?」


あ~目をつけられてしまった...

終わった。


「いや、その、ナンデモナイデス。」


怖いよ~。

誰か助けて~

でも、亜梨紗ちゃんは怖くて固まってるし。

無理だよね...


「で?何で知ってんの?」

「じ、じつは、幼馴染でして...」

「は?そんなわけないじゃん。」


いやいやいや、本当のこと言ったら否定されたんだけど。

どうしろって言いたいの?


「いや、本当です。」

「じゃあ何か知ってるのか?」

「えーと、何でもいいですよね。」

「あぁ。」

「小学四年生の時に京都から引っ越した。花粉症。熱が出て40度まで上がったことがある。体が弱い。脂っこいものが嫌い。甘いものが好き。猫アレルギー。犬より、鳥が好き...などなど。」


とりあえず、このくらいでいいかな?


「こんな感じです。」


何かみんなが唖然としてる。


「え、ストーカー?」

「失礼な!!!!」


なんかめっちゃ失礼じゃない?

てか、暴走族に怒鳴っちゃったんだけど。

やばい?

ヤバいよね...
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