内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
本当は不本意なのだろう。無理やり口角を上げる彼がおかしくて、つい笑みがこぼれる。
「笑ったな?」
「す、すみません」
「俺を馬鹿にするなら、明日のデートはなしだ」
無慈悲な表情で言うなり、スタスタと歩きだして自動ドアを出て行ってしまう龍一さん。私は慌ててその後を追いつつ、バッグに手を入れて例のメモを取りだした。
「あの、それはちょっと……私、一生懸命勉強したので、実践させてください!」
「きみはそればかりだな。口を開けば勉強勉強と」
「だって、龍一さんの役に立ちたくて……!」
夜のオフィス街に。頼りない私の声が響いた。
どうしてだろう。私、デートはなしだと言われてムキになっている。
龍一さんは俯く私をジッと見下ろすと、小さくため息をついた。
「きみの仕事や勉強の邪魔はしない。そういう約束だったな。今のは俺が悪かった」
「いえ、どっちが悪いとかそういうことではないのですが……」
言いかけている途中で、不意に彼が私の手からメモ帳を奪う。
まだ真新しいページの最初に書かれたデート七箇条に目を落とした彼は、ジッと読み込んだ後でパタンとメモ帳を閉じた。