内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】

「ここまで真面目にデートに取り組もうとしてくれている婚約者の気持ちに応えないんじゃ、男が廃るな」
「えっ?」

 龍一さんはメモ帳を私のバッグの隙間に戻すと、唐突に私の手を取って握った。

 男の人らしい、硬い手のひらの感触。そして私よりずっと高い体温を感じて、頬にかぁっと熱が集まる。

「これは決して嫉妬深いから言うわけではないが……」

 そこで言葉を切った彼が、不意に身を屈めて私の耳元に唇を寄せた。

「明日のデートはそのメモにある通り、俺だけ見ていればいい。それが一番の勉強になる」
「は、はい……」

 吐息交じりに囁かれ、全身に甘い電流が流れるような感覚がした。

 赤くなっているであろう顔を小刻みに上下させて頷くと、龍一さんは満足げに微笑んで、繋いだ私の手を引いて歩きだす。人目も気にせず、堂々と。

 会社のそばなのにいいのかな。婚約者だから、いいのか……。

 くすぐったい気持ちと格闘しながら、マンションまでの短い道のりをふたりでゆっくり歩いた。

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