内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
自由か……それはそれで難しいのだけれど。
目を閉じて思いを巡らせようとしてすぐ、彼に一度聞いてみたかったことを思い出した。
「あのっ、仕事に関係のある話でもいいですか?」
「もちろんだ」
「龍一さんが、Sparcilの商品で一番思い入れのあるものってなんですか?」
趣味も特技も仕事だと言い切る彼が気に入っている自社商品ってどれだろう。興味本位ではあるけれど、いち社員として次期社長の意見が気になった。
「きみはまだ入社してない頃だと思うが、『夢望』という商品が発売されていたのを知っているか?」
夢望。私がSparcilに入りたいと思うきっかけを作った、あのシャーペンのことだろうか。半信半疑ながらも、こくんと頷く。
「存じています。というか、現物を持っています」
「本当か? かなり前に販売中止になったものなのに」
「はい、一本だけですが。シャーペンは芯さえ入れればずっと使えますし、施されたキラキラがお気に入りで」
そう言って龍一さんの横顔を見ると、彼がふっと笑みを浮かべる。そのやわらかい表情にトクンと胸が鳴った。
「そうか。きっと喜ぶだろうから、開発者に伝えておく」
「龍一さん、開発者の方をご存じなんですか?」
「まあな」