内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
「ふぁ……待って、くださ……っ」
「待てない」
こうまでひとりの女性を求めたのは初めてで、自分でもブレーキのかけ方がわからない。
頭の中が真智一色に染まりかけていたその時、彼女の切なげな瞳と目が合う。
「あの、また……出来心、なんですか……?」
顔を真っ赤にし、乱れた呼吸で肩を上下させながら真智が問いかけてくる。
そんな彼女を見ているだけで苦しいくらいに締め付けられるこの胸の中にあるのは……決して出来心なんかではない。
――しかし。
「それ以外に何がある?」
目を細め、できるだけ温度のない声で告げる。
真智に本心を告げるわけにはいかない。自立した偽装夫婦の関係を望む彼女に、こんな本能剝き出しの醜い心の内をさらけ出したら、彼女は離れて行ってしまうだろう。
それだけは、なんとしても避けたい。
「そう、ですよね……。すみません、わかりきったことを聞いて」
とくに傷ついたそぶりもなく微笑んだ真智に、俺は少なからず落胆した。
自ら突き放したくせに、なんて勝手なんだろう。独りよがりな自分に嫌気がさす。
「先に休みますね、私」
黙っている俺にしびれを切らすように、真智がそう言った。
キスした時の熱に浮かされた反応が嘘のように俺の腕をすり抜け、廊下へ繋がる扉に手をかける。