内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
「おやすみなさい、龍一さん」
「ああ。……おやすみ」
真智が出て行くと、扉に背を預けて前髪をかき上げ、深いため息をついた。正面の鏡に映る自分は、何事もなかったかのように涼しい顔をしている。
本当は引き留めて抱き寄せたかったくせに……。
鏡の自分に対してそう毒づいてみても気は晴れず、俺は真智への想いを持て余すばかりだった。
この恋心はこれ以上成長させてはいけない。そんな思いから、俺は家で真智と顔を合わせないよう、会社にいる時間を増やした。
朝は真智が起きる前に出て行き、彼女が寝静まったころに帰宅する。顔を見なければ心の安寧は保たれたが、そんな生活を二週間も続けた頃、とうとう真智に捕まってしまった。
いつも零時前には就寝している彼女が、その日は起きて俺を待っていたのである。
「風呂に入るから先に寝てていい」とバスルームに逃げ込んだのだが、わざと長風呂をしたにもかかわらず、真智は律儀に俺を待っていた。
観念して、彼女の座るソファに俺も腰を下ろす。