内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
「じゃ、乾杯な」
「ええ、お疲れ様です」
料理を頼んだ後、男ふたりで静かにウィスキーの入ったロックグラスを合わせる。
「それで、羽澄との生活はどうだ? アイツが家で甲斐甲斐しい妻を演じる姿は想像がつかないが」
「俺は別に甲斐甲斐しい妻を求めてるわけじゃないので、彼女は家でもいつも通りですよ。暇さえあれば本かパソコンを開いています」
真智の上司である石狩さんには簡単に想像できたのだろう。彼はおかしそうに肩を揺らして笑った。
「アイツらしいな。最近、開発部でもますます仕事の鬼と化してる。なんでも、終売になった過去の商品を、別の形で生まれ変わらせたいとかで」
「終売になった過去の商品?」
終売と言われて真っ先に頭に浮かんだのが『夢望』だ。開発者に礼を伝えてくれと言うほど、真智はあの商品を気に入ってくれていたから。
「ああ、名前はど忘れしたが、こう、星がキラキラしてるシャーペンで……」
石狩さんの言葉に、胸が一度大きく波打つ。
まさか、真智は本当に夢望を生まれ変わらせようと?