内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
ふわりと波打つ長い髪に、お酒を飲んだにもかかわらず、少しも混じりっ気のない甘いバラの香り。
小峰さん……。
反射的に身を硬くすると、彼女は私の目の前で腕を組み、鋭く目を細めた。
「本っ当にしぶといわねあなた」
「し、しぶとい?」
「そうよ。どんなに殺虫剤を賭けても死なないゴキブリみたい」
ごきぶり……。
その極端な例えを聞く限り、相変わらずとことん嫌われているらしい。
「嫌味を言いに戻ってきたの?」
「そんなわけないでしょ。宣戦布告しにきたのよ」
宣戦布告……? 明らかに穏やかではない言葉に身がすくむ。
小峰さんはフンと鼻を鳴らして髪をかきあげ、不気味なほど美しい笑みを浮かべた。
「霜村くんを使った作戦は失敗に終わったけど、私はまだあきらめてない。あなたと専務の結婚、絶対に阻止してみせるから」
霜村くんを使ったって……まさか、そのために彼を私のもとへけしかけたの?
私と龍一さんの仲を壊すためだけに、彼の純粋な好意を利用しようと?
カンニングの件といい、やり方が少し汚くないだろうか。