内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】

「それは失礼しました。それじゃ羽澄さん、話の続きはまた今度」
「う、うん……お疲れ様」

 まだ続きがあるの? 

 内心そう思ったものの、これ以上なにか言って事を荒立てたくもないので、立ち去っていく小峰さんを静かに見送った。

 彼女の姿が見えなくなると、龍一さんがふう、とため息をつく。肩を抱いていた手で今度は手を繋ぎ、歩きだしながら私の顔を覗いた。

「大丈夫か? 彼女になにか言われていたんだろう」
「はい。あの……私たちの結婚を阻止するって。それと彼女、私たちの関係が偽装だというのも、察しがついているみたいで……どうしましょう?」
「それならちょうどいい」
「えっ?」

 龍一さんのさっぱりした口調に、心許ない気持ちが押し寄せる。

 そこまで疑われているのなら、この際婚約は破棄しよう――なんて言われるんじゃないかって。

「真智」
「は、はい」
「今日から、俺たちは本物の婚約者だ」
「ほん、もの……?」

 言葉の真意がくみ取れない。小峰さんが疑っているから、本物を〝演じる〟ということだろうか。

 それだと、今までとあまり変わらないけれど。

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