内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
「これは、手帳……?」
箱から出てきたのは、コーヒーブラウンの重厚な革カバー。イタリアの高級ブランド製品なので、私にとってはかなり勇気のいる買い物だった。
中身は彼の言うように手帳だが、ただの手帳ではない。
「3years――なるほど、三年手帳か」
「はい。ちょうど龍一さんがシンガポールにいる期間、使っていただけるようにと思いまして」
離れている間も、私のことを忘れないでほしい……。
そんな個人的な想いのこもったプレゼントであることまでは、さすがに明かせないけれど。
「ありがとう。片時も肌身離さず持っているよ」
まるで私の心を読んだかのように、彼が優しくそう言ってくれる。
甘い痛みを覚えた胸の中がまた、龍一さんの色に染まった。
「私は、プレゼントがひとつしかなくてすみません」
「ひとつじゃない」
「えっ?」
「きみには毎日、色々なものを貰ってる。目には見えなくても、ここにちゃんとある」
龍一さんはそう言って、トントン、と自分の胸を指さした。
心臓を示しているわけではないだろう。察しの悪い私でもそれくらいはわかり、ドキドキと胸が高鳴る。
彼の心の中に、少しでも私の存在があると思っていいの……?