内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】

「そ、そうなんだ。海外生活、大変だと思うけど頑張って……」
「いいのよ私のことなんか。それより、三年間もかわいい婚約者と離れる専務の方が、寂しくてたまらないと思うの。だから、私がちゃーんと慰めてあげるわね。身も心も、たっぷり」

 彼女がシンガポールへ行きたがった本当の理由は、最後のひと言に集約されているのだろう。

 耳元で勝ち誇ったように囁かれ、愕然とする。

 私と龍一さんの間に確かな愛があったなら、こんなに不安にならないのかもしれない。

 だけど、甘い時間を手放すのが惜しくて、彼とはまだ正面から向き合っていない。

 こんな不安定な関係のまま、小峰さんのような魅力的な女性が彼に近づいたら……。

「やめて……」

 思わず首を左右に振り、彼女に懇願する。

「なによ、婚約者なら堂々としていればいいじゃない。それとも、やっぱり形だけの関係だったのかしら? だとしたら残念ね。三年後、彼の帰国と同時に破談だわ」

 最初から決まり切っていた偽装夫婦と言う関係が、今になって私の心を締めつける。

 同じマンションに住んで、キスもそれ以上のことも数えきれないくらいにしてきたのに、小峰さんのたったひと言でショックを受けてしまう。

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