内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】

 そして彼らがシンガポールに経ってから二週間が経った頃。あまりに不安が募った私は、電話で直接龍一さんに尋ねてみた。

「龍一さん、今日のランチは……会社のどなたかと一緒に?」

 私は夜、ひとりぼっちのマンションでスマホを耳にあてていた。

 その日、彼が送ってくれた写真は丸ごと茹でられた大きなカニ。

 それはいいのだが、夕方小峰さんのSNSにまたしても似たようなカニの写真が載っただけでなく、堂々と『上司のFさんからのご褒美♡』と書いてあった。

 もしそれが本当なら、彼もごまかさないだろうと思ったのだ。

『いや、ひとりだけど』

 電話口の龍一さんは、そっけなく言った。

 嘘……。だって、小峰さんは?

「そうなんですね。大きなカニだから、てっきり大人数でシェアしたのかと」
『写真で見ると大きいが、実際はそれほどでもない。しかし、早くも日本食が恋しくなってきたよ。日本食と言うより、真智の手料理か』
「は、早すぎますよ……!」

 急に甘いセリフを吐いた彼に、不安が少しだけ緩む。

 似たような写真を載せたからって、やっぱり小峰さんと一緒にいたとは限らない。

 私がやってもいないカンニングをでっち上げようとした彼女のことだ。

 龍一さんと私の中を壊すために、どうにか怪しく見える画像を作って載せているだけかもしれない。

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