内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
「ごめん、お姉ちゃん。もう平気だから」
「どうして倒れたの? 貧血?」
私は曖昧に笑って、窓辺に立つ石狩課長に視線を向けた。
彼は会社から病院まで付き添ってくれただけでなく、姉が来るまで心配だからとずっと待っていてくれたのだ。
そして、私が倒れた原因も知っている。
「あっ。上司の方ですね。この度は妹がご迷惑をおかけしました。私、真智の姉です」
「いえいえ、お気になさらず……。石狩と申します。お姉さんが来たならもう安心ですね。それでは、私は先に失礼します」
パイプ椅子の背にかけていた上着を羽織り、石狩さんが私たち姉妹に頭を下げる。彼が出て行く前にもう一度、「ありがとうございました」とお礼を言うと、石狩さんはドアの前でこちらを振り返った。
「会社のことは気にしなくていいから。お姉さんにしっかり話せよ」
「はい……」
彼が出て行き、個室内が静かになる。私は緊張気味に姉と視線を合わせた。
今の自分の状態を話したら、どう思うだろう。
姉は龍一さんとの偽装結婚自体には賛成だったものの、『本気にならないようにね』と忠告していたから……呆れるかもしれない。
でも、たったひとりの家族に黙ってはいるわけにはいかないよね……。