内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】

「あのね、お姉ちゃん、私……」

 布団に隠れているお腹にそっと手をやり、覚悟を決めた。

「妊娠、してるの」
「えっ? それって……龍一さんの?」
「……うん」

 産婦人科の先生がしっかり見てくれたので、間違いない。食欲がないのは気持ちが塞いでいるせいかと思っていたが、悪阻のせいもあったらしい。

「だったら、そんなに浮かない顔なのはどうして? まさか龍一さんにひどいことされてできたんじゃ……」
「違う。龍一さんは、そんなことしない。私、幸せだったもん」

 そう……彼に抱かれている間は、愛し愛されて結婚する婚約者の気持ちになれた。

 彼の演技が上手だっただけなのかもしれないと気づいたのは、つい最近だ。

「過去形なのは、彼が海外にいるから?」
「それもそうだけど……別れようと思ってるの、私」

 眉を曇らせた姉に、このところの彼の様子と小峰さんの話をかいつまんで聞かせた。

 龍一さんに、本気で恋してしまったことも……。

「そんなことが……。ごめん、真智が辛い思いしたの、私が結婚をけしかけたせいだね」

 姉が落ち込むことじゃない。その一心でかぶりを振ると、姉は優しく微笑んだ。

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