内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
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――あれから三年。私は理想よりずっと頼りない母親だし、龍一さんとの再会に動揺しているのは否めない。
それでも、呼び出された社長室で彼と対峙したその時は、必死でポーカーフェイスを装った。
「なんのお話でしょうか」
「頭のいいきみにわからないはずないだろう? シンガポールにいる俺に突然別れを告げ、連絡を断ち、マンションを出た理由を聞きたいに決まっている」
応接ソファで向き合う彼の、鋭い視線が突き刺さる。直視していたら息ができなくなりそうで、私は彼の肩辺りに視線を逸らした。
彼の言う通り、三年前の私はメッセージで一方的に別れを告げた後、番号もアドレスもトークアプリもすべてブロックし、ふたりで暮らしたマンションを出た。
姉と暮らしていたアパートは龍一さんも住所を知っているので、妊娠中にもう少し広めで子育てしやすいマンションへへ引っ越し、今でもそこで五人暮らしをしている。
「同居生活の末、やはり偽装結婚が嫌になった。そういう場合は婚約破棄してもいい約束だったはずです」
「それは当初の口約束だろう。それに、空港で別れた時のきみは『俺に伝えたいことがある』と言った。それが婚約破棄の話なら三年間待つ必要はない。いったい、いつ心変わりしたんだ?」