内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
どうしよう。細かくきちんと説明しなければ、帰らせてもらえない空気だ。
でも、保育園のお迎え時間が……。
チラッと腕時計を見て、ソワソワする。一分でも保育時間が伸びてしまうと、延長料金を払わなければならない。
「これから大事な予定でもあるのか?」
「はい。ですから早く終わらせてください」
焦りを隠さずに言うと、龍一さんがひゅっと目を細めた。そして険しい顔のままため息をつく。
「……わかった。しかし、きみがこれから会う相手にひと言挨拶したい」
「えっ? 挨拶って、どうして……」
「俺は元婚約者だ。しかも、今でも〝元〟と言う部分に納得はしていない。きみに新しい男がいるなら、黙って見過ごすわけないだろう。俺にも会う権利がある」
男って……確かに三つ子は全員息子だけど、まったく別の勘違いをしている?
困惑している間に、龍一さんの方が先に席を立つ。
「急いでいるんだろう? 車で送る」
「いえ、車では不便です。近くに駐車場もないし」
「だったらタクシーにしよう。ほら、早く」
龍一さんの勢いに流されて立ち上がってしまったが、彼の放った『会う権利がある』のひと言にドキッとしていた。