内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
誤解からの発言とはいえ、確かに、彼は三つ子の実の父親なので、会う権利はあるだろう。会わせたくないというのは、私のエゴなのかもしれない。
それに石狩さんも言っていた。『子どもの保護者として、やるべきことはきちんとやれ』って。
父親の存在に目をつぶって誤魔化し続けるのも限界があるし、ここは乗り越えなければならないステップと思うしか……。
腹をくくって、彼と共に会社のそばからタクシーに乗る。
いつかのように彼は後部座席を私に勧めたが、丁重にお断りして助手席に乗った。
「蔵前の浅葱保育園にお願いします」
運転手にそう告げると、龍一さんが怪訝そうに「保育園?」と呟く。後部座席から私を見つめる視線も痛いくらいに感じた。
今から会いに行くのは私たちの子だと説明する勇気はまだないので、とりあえず注意事項だけ彼に伝えておこうと、後ろを振り向く。
「会うのは構いませんが、とりあえず勤め先の上司として振舞ってくださいね」
「相手の男は保育士か? だから、保護者に妙な噂を立てられたら困るとか……」
「……ちょっと違いますけど、似たようなものです」
核心に触れずに説明するのは難しいが、確かに保護者に変な噂をされるのは困るので、曖昧に肯定する。
龍一さんの眉間に寄った皺がますます深まった。