内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
「保育士ではない。ということは経営者……? あるいは給食の調理員とか……」
ブツブツと呟く彼は、私が現在の交際相手にでも会いに行くと思っているようだ。
龍一さんに抱いた恋心を超えるほど好きになれる相手なんて、見つかるはずないのに……。
心の内でそう呟きながら、気を逸らすように車窓の景色を眺めた。
住宅街の中にある浅葱保育園は、都内では確保しづらい園庭も広めで、のびのびと子どもが遊べる人気の保育園。
そこで三人とも預かってもらえるのは幸運だった。
今でさえ戦地に赴くかのごとく必死で登園しているというのに、兄弟別々の園に通わせるとなったら、さらに体力も精神力も削られるだろうから。
「ここで待っていてください」
園の門から数メートル離れた場所でタクシーを降り、龍一さんにもそこで待つように伝える。
誰かのパパと間違われて、保護者や先生に声でもかけられたら厄介だ。
「わかった」
龍一さんは不本意そうに腕組みをしつつも頷く。腕時計を見た私は時間内に間に合ったことにホッとして、園の玄関へ急いだ。