内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
「だれ?」
直球で私に尋ねてきたのは、朝約束した通りベビーカーの前側に座っている秋人だ。
とはいえそこまで興味がある様子はなく、手に持ったロケットの工作で、龍一さんのスラックスをツンツンつついている。
「ママの会社の人だよ。社長さんなの」
「キラキラえんぴちゅの?」
「そうよ」
後ろの席から顔を出し、舌足らずにそう言った麦に笑顔で頷く。
文房具という概念はまだ理解できないだろうが、家にはSparcilの文具があちこちに転がっている。
三つ子は揃って、夜部屋を暗くした時に光る夢叶がお気に入りだ。
「はじめまして、ママがおせわになってます」
私の職場の上司だと理解し、二歳児らしからぬ挨拶をしたのは楓人だ。そんな挨拶は教えたことがないのに、普段から大人の言動をよく観察しているのだろう。
龍一さんも面喰ったように「こ、こちらこそ」と楓人にお辞儀していた。
「聞きたいことは山ほどあるが……とりあえず、家まで送る。この子たちと一緒じゃタクシーというわけにもいかないが、荷物くらい持つよ。荷物を持ったところできみの負担が軽くなる気はしないが……」