内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
マンションに到着してタクシーを降りてすぐ、もう一度真智に電話を掛けた。
呼び出し音は今回も長く鳴ったが、やがて途切れて真智の声がする。
「はい……龍一さん?」
話し方はゆっくりで、吐息が多い。やはり、体調が芳しくないようだ。
「真智、大丈夫か? 今、きみのマンションの前にいるんだ。なにか手伝えないかと思って」
「すみません……ちょっと、助けてもらっていいですか? 鍵、開いてますので」
「もちろんだ」
励ますようにそう言うと、急いで真智たちの部屋がある三階へとエレベーターで向かった。
玄関の前に着き、入る前に一応インターホンを鳴らす。
真智は応対できる状態ではないだろうからそのままドアノブに手をかけると、インターホンのスピーカーが通じ、室内の雑音が聞こえてきた。
『ママ、ちゃちょー、ちた』
『いらっしゃいませー!』
『ムギ、アキ、ママおねつだからしずかに!』
騒がしい三つの声に、こんな時だと言うのに思わず笑みがこぼれた。
真智はともかく、三人は元気そうだ。少しホッとして、ドアから中へ入った。
「お邪魔します」
小さな靴が散らかった玄関で革靴を脱いでいると、正面のドアが開いて息子の内のひとりが顔を出す。
あの、悪戯っぽいキラキラした目は……。