内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
「秋人か?」
「うん!」
にっこり笑みを深めた秋人がてててっと小刻みな足音を立てて駆け寄ってくる。赤いパジャマ姿だ。
とりあえず三つ子のうちのひとり見分けられたことに、内心ガッツポーズを決める。
「ママ、こっち」
「ねんねしてるのか?」
「そだよ。おねつ、つめたいつめたいしてる」
つめたいつめたい?
秋人は「こっち」と俺の手を掴むと、開けっ放しのドアの方へ俺を引っ張っていった。
「こんばんは……」
病人の真智を刺激しないよう、小声で挨拶しながらリビングダイニングと思われる部屋へと足を踏み入れる。
そして目に入ったのは、眼鏡を外してソファで横になる真智の姿……なのだが、少々異様な光景だった。
彼女の真っ赤な顔を取り囲むように置かれているのは、アイスクリームやらコロッケやらたこ焼きやらうどんやら、ありとあらゆる冷凍食品の数々。
……あれはなんなんだ?
「ママ、おねつ、ないない?」
心配そうに聞いているのは、たぶん麦人だ。秋人と色違いの青いパジャマを身に着け気弱そうな目元をしている。心配している割に真智の体の上でうつぶせになっているのはどうかと思うが、ママと離れたくないのであろう。