内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】

「うーん、まだかな……」
「ママ、ギョーザもいる?」

 ソファの横に立ち、真智の顔を覗き込むようにしているのは楓人。冷凍食品作戦を思いついたのは、利発そうな彼かもしれない。楓人のパジャマは黄色だ。

「大丈夫よ楓。ありがとう」

 弱々しいながらも母親の目をして、真智が楓人の頭を撫でる。

 なんと愛おしい光景だろうか……。

 別れる以前には見られなかった真智の新しい一面を知り、胸が高鳴る。

 しかし、俺は感動に浸りに来たわけではないのだ。真智にばかり親の仕事を押しつけていないで、自ら動かなければ。

「真智。具合はどうだ?」

 床に散らばったおもちゃやクレヨンを避けつつ、彼女に声をかける。秋人は俺の手を離し、楓人の隣に並んで真智の顔を見つめた。

「龍一さん……すみません、急に来てもらっちゃって」
「熱は?」
「さっき、八度七分でした……」

 それほど高熱の状態で子どもたちの相手をしていたのだから、脱帽である。

 本当は寝ているだけでもつらいだろうに。

< 222 / 247 >

この作品をシェア

pagetop