内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】

 それから龍一さんと予定をすり合わせ、大型連休の最終日に彼と私、そして三つ子たちとで動物園に行くことになった。

 休日に出かける場所と言えばもっぱら近所の公園だった三つ子たちにとっては、かなり新鮮な体験。

 前日の夜眠る前に、彼らが大好きな『ちゃちょー』も一緒に行くのだと伝えた。

 特に喜んだのは秋人で、布団の上でひとしきり飛び跳ねてから、興味津々に問いかけてくる。

「なんで? なんでいっしょいく?」
「……なんでか知りたい?」
「うん!」
「ムギもー」
「ママ、ぼくも」

 私を取り囲む六つの瞳がらんらんと輝いている。

 今まで『お母さんしかいないおうちもあるんだよ』と説明していただけに、真実を告げるのは少し緊張する。

 だけど、彼らは三人とも単純に龍一さんのことが大好きだ。私が熱を出した時に一度面倒を見てもらっただけなのに、一日に一回は三人のうちの誰かに、次はいつ彼と遊べるのかと聞かれる。

 だからきっと、大丈夫――。

「じゃ、発表します」

 私はゴホンと咳払いをして、三つ子の顔を順に見つめた。

「なんと、社長の正体は……きみたちのパパなんです!」

 芝居がかった言い方をしたのは、自分を奮い立たせるため。しかし、渾身の演技もむなしく、三人ともただ目を丸くするだけで、喜んでいる様子はない。

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