内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
「ちょっとした修学旅行みたいだよなぁ」
霜村くんはのんびりそう言って、頭の後ろで手を組んだ。
「ダメだよ、真面目に観光しないと。この自由行動に隠された何かがテストに出るかもしれないんだし」
「真面目に観光って。なんか矛盾してない?」
「そう?」
「ってか羽澄、メモまで取ってるし。後でコピーさせてくれよ」
「ダメです」
物欲しそうに出された手のひらを、ぱちんと叩く。霜村くんは盛大に笑うと、少し先の店を指さして私を見た。
「ちなみにひとりならメシ付き合ってくれない? あそこのアジア料理がうまいんだって」
「いいけど……ご飯、私となんかでいいの?」
霜村くんは営業部員なだけあって、基本的に人たらしで顔が広い。今回のように様々な部署から集められたメンバーの研修でも、彼なら親しい同僚のひとりやふたりいるだろう。
「だって羽澄、俺がいないとぼっちじゃん」
「まぁ、否定しないけど……別に独りだからって寂しいとは思わないから、気を遣わないでいいよ」