内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
大人が自分の他にもうひとり、しかも力のある男の人がいるだけでこれだけ外出が楽になるのかと私自身も感動したが、混雑している人気の檻の前でも龍一さんの肩車のお陰でなんなく動物が見られて、子どもたちも喜んでいた。
「みて、あくびした! がおーって」
「パパ、ながーいの、きりんさん、くび」
「あかちゃん、ほんとにふくろのなかにいる……」
隣にいる私には動物が見えなくても、子どもたちの楽しげな声を聞いているだけでじゅうぶんだった。
父親である彼の存在がなければ、こんな体験はさせてやれなかった。そう思うと、彼と向き合うことから逃げなくて、本当によかったと思う。
子どもたちが疲れすぎないよう午後には動物園を出て、夕方には自宅に到着した。
カートにも乗ったがよく歩いた一日だったので、三人とも家に着いたことも気付かずに熟睡している。
車を路肩に寄せてもらったところで、私は自分のシートベルトを外して言った。
「さて、かわいそうだけど起こさなくっちゃ」
「真智、少しだけ待って」
「えっ?」
麦人のチャイルドシートを外そうとしていた手を止めると、龍一さんが運転席を下りて後部座席のドアを開ける。子どもたちを下ろすのを手伝ってくれるのだろう。