内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】

「やっぱり難しかったなぁ……。記述問題って文字数多い方がよさげだけど、俺半分くらいしか埋まらなかったよ」
「私はきっちり最後まで埋めたわよ。その前の問題も完璧」
「羽澄は?」

 隣の席で小峰さんと話していた霜村くんに話を振られ、読んでいた本から目線を上げる。

 採点を待つ間は自由にしていていいと言われたので、持参していたビジネス本を読んでいた。隙間時間に読書や勉強をするのは学生時代からの習慣だ。

「私は……解答欄のスペースが足りなくて、枠外にはみ出しちゃったんだよね」

 自分の解答用紙の状態を思い出し、苦笑する。

 とくにスペースを使ってしまったのが、【理想とする文具メーカーの姿】。

 私が現在開発を担当している筆記具に絡めた内容にしたせいか、少々熱が入りすぎてしまった。

「さすがだなぁ。どうしたらそんなにポンポン文章が出てくるんだよ」
「うーん……試験の時は夢中だったから」
「枠外にはみ出すなんて、減点かもしれないじゃない」

 小峰さんが冷めた言葉が、グサッと胸に刺さる。

 実は私もその可能性は考えていたのだ。

 うまく記入欄のスペースに文章をまとめるのも能力の内。私はつまらないことをダラダラと長文にしただけなんじゃないかって……。

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