内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】

「あっ。専務来たぞ」

 霜村くんが小声で言い、慌てて自席に戻っていく。席を離れていた他の参加者たちも自然と元の席に戻り、会議室は静まり返った。

 皆の前に立った専務は一度全員の顔を見渡し、それから一枚だけ手にしている試験の解答用紙に視線を落とした。

 彼の一挙一動に、ごくりと喉を鳴らす。

「お待たせしました。先ほどの試験ですが、皆さんとても優秀な成績でした。今回トップを逃した方たちも、必ずSparcilの中核を担う人材に成長してくれる。そう確信し、とてもうれしく思いました」

 試験は全体的に好成績だったようだ。降矢専務をがっかりさせずに済んでよかった。

「そんな中、文句なしの満点を獲得した方がたったひとりだけおりますので、発表します」

 専務が小さく息を吸った瞬間、心臓が大きく脈打つ。小峰さんは目を閉じ、胸の前で両手を握りしめている。

 彼女かもしれないし、霜村くんかもしれないし、全然別の人の可能性だってある。

 それでも自分の名が呼ばれる期待も捨てきれず、息を呑んで発表を待つ。

「羽澄真智さん」

 一瞬、心臓が止まったかと思った。

 今、呼ばれたのって、私……?

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