内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
「はい。ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします……!」
ぺこりと頭を下げると、他の参加者たちからぱちぱちと拍手が沸く。
顔を上げると専務もささやかに拍手して微笑んでいて、夢の中にいるかのように足元がふわふわした。
「それでは、本日の研修は解散とします。宿泊先でゆっくりお休みください」
試験の結果発表が済むと、専務が長かった研修の終わりを告げて退室する。
未だに胸がいっぱいの私が席に座ったままぼうっとしていると、荷物をまとめた小峰さんが派手な音を立てて椅子から立ち上がった。その横顔は不機嫌そうだ。
「お、お疲れさま」
トップを目指していた彼女だから試験の結果に納得がいかないのかもしれない。とはいえ挨拶をしないのもおかしいので、一応声をかけた。
「ばっかみたい」
「えっ……」
「真面目で勉強ができることしか取り柄のない人間を欲しがるなんて、専務も経営戦略部もおかしなことを考えるものよね。選ばれなくて正解だわ」
私を見下ろして嘲笑を浮かべる彼女に絶句する。今日一日で彼女の発言には何度か引っかかっていたけれど、さすがにその意見は乱暴すぎないだろうか。