内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】

「仕事と勉強以外に趣味がないので、頭の中は会社のことばかりなんです」
「ああ、そうだろうな。他の社員に言われたら〝俺の前だからゴマをすっているな〟と勘ぐるところだが、きみに関しては本当なんだろう。食事に誘ったのは面談のためと言ったが、成績が良かったきみへのご褒美の側面もある。純粋に料理を楽しむといい」
「そうだったんですね。お心遣いをありがとうございます」

 面談と聞いてかなり身構えていたので、ご褒美の言葉に肩の力が抜ける。

 といっても専務とふたりで食事するというシチュエーションは変わらないので、料理をちゃんと味わえるかは微妙だ。


 二十分ほどタクシーに揺られ、目的の店に到着した。店の入り口へ続く小道の両脇は小さな和風庭園のようになっており、紅葉や南天の植栽、小さな灯篭がしつらえてある。

 暖簾の奥、麻の葉模様が入った格子戸を開くと、廊下の奥から女将と思われる和服姿の女性が現れ、私たちを案内した。

 開放的なホールのカウンターやテーブル席で食事をする客たちの横を通り過ぎ、奥まった場所にある個室へと通される。

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