内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】

 姉もそれを心配してくれているんだろうけれど、だからこその偽装結婚だ。周りが見えなくなるほどの情熱が生まれることはないだろう。

「うん、わかってる」
「それならいいの。専務さんに、私がよろしく言ってたって伝えて」

 姉の言葉に頷くと、自分の部屋へ移動した。

 六畳の洋室はシンプルな白系の色味で統一してあり、目立つ家具はベッドと机、本棚、パソコンくらい。

 机の上にはSparcilやその他メーカーのお気に入り文具が並んでおり、それらを眺めながら勉強するのが私のお気に入りの過ごし方だ。

 机に近づいた私は、ペン立ての中からなにげなく一本のシャーペンを手に取る。

 芯を入れる軸には液体の入った薄い層があり、細かいラメや星形のチャームが浮いている。ペンを上下させるとキラキラと中身が舞う仕組みだ。

 これはSparcilの過去の商品、【夢望(ゆめみ)】。

 ラメや星のきらめきが流れ星を連想させるので、受験を控えた若者たちの間で人気が出たのを皮切りに、あっという間に爆発的なブームを引き起こした。

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