内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
その頃、私は母を亡くしたばかりで悲しみの中にいたけれど、大型書店の文具コーナーでたまたまこのペンを見つけて、そのきらめきにひと目ぼれ。
夢望という商品名も、母の願いを叶えたいと思っている私の心にジンと響いて、十色以上展開されていたカラーの中から綺麗なアクアブルーの一本を、すぐに購入した。
大学受験を控えていたために深夜まで勉強を続けていた日々の中、ふとした瞬間にペンの中のキラキラが目に入るだけで、もっと頑張ろうと勇気をもらっていた。
しかし、まだ幼い小学生の保護者や教師の間では、ペンのせいで勉強に集中できないなど苦情もあったらしく、夢望は数年で製造中止に追い込まれてしまう。
個人的にはとても悲しかったのだけれど、消費者の意見を真摯に受け止めて今後の文具開発に生かすとしたSparcilの姿勢にはとても好感を持ち、就職先にと考えるきっかけになった。
入社後、幸いにも希望していた開発部署に配属されたので、夢望を開発したのは誰なのか調べてみたのだけれど、どこを探してもデータがない。
上司に尋ねたところ、インターンシップ中だった学生のアイディアを採用したものだったらしく、その学生の名は人事部や上層部のひと握りしか知らないそうだ。