内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
いつかお礼を言いたいと思っていたけれど、インターンに参加したからと言って、現在Sparcilに勤めているとは限らない。名前を伏せられているということは、そうでない可能性の方が高いだろう。
だから、今の私にできることは、Sparcilへの恩返しのために仕事を頑張るだけ。次期社長となる専務との偽装結婚も、その一部だと思って一生懸命努めよう……。
改めて覚悟を決めると、夢望を静かにペン立てに戻す。
それからベッドに腰を下ろし、スマホを手にした。電話帳から【降矢専務】の名を探し、一度深呼吸をしてから彼に電話を掛ける。
『もしもし』
「あっ、お忙しいところすみません。ステーショナリー開発部の羽澄ですが、今お時間よろしいでしょうか?」
ガチガチになりながら挨拶をすると、電話口から微かな笑い声が聞こえた。
『そんなに丁寧に名乗らなくても、きみの番号は登録しているんだからわかってる。時間なら大丈夫だが、偽装結婚の件か?』
単刀直入に尋ねられ、ドクッと鼓動が跳ねる。
結論は出ているものの、本人に改めて伝えるのはとてつもない緊張を伴う。