内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】

「はい。あの、私でよろしければ、謹んでお受けしたいと思っております……!」

 専務には見えないとわかっているが、思わず深々と頭を下げる。

 しばしの沈黙のあと、彼がホッとしたように息をついた。

『そうか、ありがとう。特殊な結婚だが、お姉さんには反対されなかったのか?』
「はい。姉も私と同じような考え方をする人なので、対等な夫婦関係が築けるのならある意味偽装結婚は理想の形かもという感じで……」
『なるほど、きみたちは似た者姉妹なんだな。お姉さんも努力家で素敵な方なんだろう。今度挨拶をさせてくれ』

 確かに立派な看護師の姉は私の自慢だが、同じように私のことまで〝努力家で素敵〟と表現されてくすぐったい。

 もちろん、お世辞だとわかっているけれど……。

「恐縮です。姉も、専務によろしくお願いしますと申しておりました」
『こちらこそと伝えてくれ。しかしその〝専務〟という呼び方、今後はやめてくれないか?他人行儀なままでは、周囲の人間を欺けない』
「では、なんとお呼びすれば……?」
『親しげな雰囲気が演出できればなんだっていい。龍一でも、龍一さんでも』

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