内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
「わかりました。姉に話して準備を進めます。せん……龍一さんのお住まいはどちらなんですか?」
そう尋ねると、彼は声を押し殺すようにくつくつと笑った。専務と言いかけて慌てて訂正したのがばれてしまったようだ。
『日本橋。駅も会社もすぐそばだから、不便はないはずだ。買い物や家事の代行サービスも利用できるから、仕事にも集中できるだろう』
「そんな贅沢なサービスが……。でも、家事くらい自分でやります」
病気の時などは利用を考えるかもしれないが、基本的に自分の身の回りのことは自分でするのが母の教えだし、今までもそうしてきた。
『きみが苦でないのなら、好きにするといい。他に質問はあるか?』
「いえ、あとは引っ越してからで大丈夫です」
聞きたいことなら山ほどあるが、一週間後に引っ越しをするなら、わざわざ電話で話す必要はない。
「そうか。あと俺から話しておくべきことは……」
思案する彼が言葉を継ぐのを待っていると、龍一さんが「ああ、そうだ」と思い出したように言った。
「夫婦生活はとりあえず必要ないと思っているが、きみはどうだ?」
「えっ?」