内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】

「そうだったのか。酷なことを聞いてすまない。きみの意見を尊重するから、ゆっくり考えてくれ。無理に応じようとしなくて構わない」

 龍一さんの優しさはありがたいが、単なる偽装結婚の相手に気を遣わせて申し訳なさすぎる……。

「あの、龍一さん」
「ん?」

 彼と話せば話すほど、しっかり決めたはずだった自分の選択に自信が持てなくなりつつあった。

 彼を下の名前で呼ぶだけで照れ、夫婦生活の話にいちいちどぎまぎする処女の私が、Sparcil次期社長となる彼に相応しいのかと。

「本当に、私でいいんですか?」

 電話の向こうがしん、と静まり返る。

 龍一さんは私に男性経験がないのを知らなかったわけだし、やっぱり偽装結婚は取りやめと言われても異存はない。

 あとから後悔されるより、今のうちに見限られたほうがわだかまりも残らずに済む。

『今さらだな』
「えっ?」
『俺はもう、きみを妻にすると決めた。他の女性に興味はない』
「どうして……」

 世の中には私よりも美人でスタイルがよく、才能や知性に溢れた女性がたくさんいるというのに……。

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