内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
「またなにか面白いことを考えているんだろう」
気づいたら、車はすでに駐車場の枠内に停まっていた。エンジンを切って静かになった車内で、龍一さんがいたずらな目をして私の顔を覗く。
今までで一番近い距離に彼の顔があって、勝手に頬が熱くなる。
「いえ別に……」
成金マダムになって高笑いしている自分を妄想していましたなんて、くだらなすぎて言えない。
龍一さんは探るような目で私をしばらく見ていたけれど、やがて聞き出すのは諦めたのかシートベルトを外した。
「まぁいい。案内するから車を降りて」
彼の先導でエレベーターに乗り、地下三階の駐車場から地上四階のエントランスへ上がる。一階から三階が、先ほど彼の言っていた商業施設になっているそうだ。
エレベータのドアが開くと、天井の高い開放的な空間が広がっていた。
床の大理石は磨き抜かれたようにつるりとしていて、頭上には巨大なハチの巣を思わせる照明がぶら下がっている。
点在するソファセットの中央には立体的なガラスのオブジェが配され、ちょっとした美術館のようだ。