内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
今さら私が腹を立てたところで、なんの救いにもならない。理屈ではわかっていても腹が立って、拳を握り締める。
視界に龍一さんの困惑したような表情が映り、自分を落ち着かせようと深呼吸した。
「ごめんなさい、私が怒ったってしょうがないのに」
気まずさをごまかすように、苦笑する。龍一さんはゆっくりかぶりを振った。
「いや……ありがとう。きみは優しいんだな」
不意にこちらに伸びてきた彼の手が、そっと私の頭を撫でる。そのまま指先で少しの髪を掬うと、毛先まで慈しむようにゆっくりと梳いた。
髪に神経は通っていないはずだが、優しく触れられているのが伝わって、胸が高鳴る。
沈黙したままジッと私を見つめていた龍一さんは、髪に触れていた手で今度は頬に触れる。大きな親指にすり、と軽く肌を撫でられ、息もつけずに彼を見つめ返す。
龍一さんの瞳がどことなく甘い色をしているのは気のせいだろうか。
どうして何も言わないんだろう? それに、あまりに距離が近い気が……。
そう思った矢先、本当に彼の顔が間近に迫ってきて、体中の血液が顔に集まる。
えっ? 嘘。これは、もしかして、キキ、キスの流れ……!?
なんでこのタイミングで……。