内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
「ああ、今日から家に来てもらった。別に急じゃない、彼女とは二年も付き合っていたんだ。ただ、彼女がなかなかプロポーズにうんと言ってくれないから、父さんたちにも紹介しづらかった」
龍一さんは私の上司、石狩さんへの説明と同じく、交際期間は二年間という設定で話を進めている。
それにしても、少しも嘘を口にしているように見えないのだから感心してしまう。
「来月の三日? ちょっと待って。彼女に確認する」
そんな言葉と共に、龍一さんがこちらを向く。その瞳に先ほど私を見つめていた時のような甘さはなく、先ほどのキス未遂は幻だったかのような気分になる。
「十一月三日の祝日、予定は空いているか?」
その日にご両親にご挨拶する流れなのだろう。もともと予定はないし、あったとしても彼のご両親に会う以上に大事な予定ではない。
「はい、終日空いています」
「わかった、ありがとう」
すぐさまお父様との通話に戻った彼は、当日会う時間や場所についても手短に相談し、あっという間に電話を終えた。
「その日、両親が実家に招いてくれるそうだ。昼食を取りながら話をしようと」
龍一さんのご実家。粗相をしてしまわないように注意しなくては。