内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】

「承知しました。十一月三日は〝文具の日〟ですから、縁起がいいですね」
「さすがは真智だな。そんなマイナーな記念日を知っていたとは」

 国民の祝日である文化の日は有名だが、十一月三日は文具の日でもある。

「これくらいは、文具業界に身を置いていれば誰でも頭に入ってますよ。去年、公式SNSで小峰さんが宣伝していましたし」

【十一月三日は文具の日】

 そんな文言と共に、Sparcilの主力商品を彼女が紹介する写真が数枚、SNSに上がっていた。今年も広報部はなにかしらの宣伝をすることだろう。

「小峰? ああ、試験で二位だった彼女か」
「えっ……小峰さん、二位だったんですね」

 自分が一位だという結果以外は知らなかったので、胸がざわめいた。

 つまり、彼女が一位だった可能性も大いにあったのだ。小峰さんは優秀だし、龍一さんや彼のお父様に近しい重役の娘。見た目も華やかで、私よりずっと彼の隣に並ぶのに相応しい。

 ただひとつ、龍一さんに元々好意を抱いていることだけが、彼の望む妻の条件には満たないけれど……ほんの少し、テストの結果が違えばここにいるのは彼女だった。

 龍一さんにとっても降矢一族にとっても、そちらの方がよかったのでは……。

< 96 / 247 >

この作品をシェア

pagetop