内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
自分を卑下するなと叱られたばかりなのに、どうしても後ろ向きな気持ちが湧く。思わず俯いていたら、龍一さんの小さなため息が聞こえた。
「彼女には気をつけた方がいい」
「えっ?」
「どうもきみに対する悪意を感じる。なにかされたらすぐ言ってくれ」
「悪意……」
私にも思い当たる節があるが、どうして龍一さんまで知っているんだろう。
そういえば研修の夜、龍一さんとホテルに戻った時に小峰さんが待っていた。どうしても彼の耳に入れておきたいことがあると。
……もしかしてあの時、私の話を?
「彼女になにか言われたんですか?」
「ああ。研修の時の試験で、きみがカンニングをしていたと」
「カンニング? わ、私、そんなことやっていません!」
明らかに身に覚えのない濡れ衣だ。
隣の席だった小峰さんが一番わかっているはずなのに、どうしてそんな嘘を?
「わかっている。決まった回答のある問題をすべて正解したのはきみと彼女のふたりだけだったんだが、きみの答えの方が細かい部分にまで言及されていた。カンニングした者の解答ではない」
幸い龍一さんは小峰さんの言い分をまったく信じていないようだ。もちろん、信じていたら偽装結婚どころじゃなかっただろうけれど。