旦那様は仏様 ~もっとイチャイチャしたいんです~
「美咲さん、すみません、あともう少しだけお付き合いください」
「はい?」
てっきり先ほどので話は終わったのかと思ったが、まだ何かあるらしい。何だろうと首を傾げたら、聡一からとんでもない言葉が発せられた。
「今夜は所謂初夜というものかと思います」
(初っ!?)
聡一は大層真面目な顔で初夜と言ってのけた。こんなにはっきり口にされるとは思わなくて、美咲はもう羞恥で顔を真っ赤にしていた。
「ですが、私たちはたった今、子供を持つのはもう少し先にしようという選択をしました。仮に避妊をしたとしてもそれは百パーセントではありませんから、今はまだ性行為を行うべきではないと思います」
「……え?」
話の方向が思っていたのと違う方向に行き、美咲は恥ずかしさよりも疑問のほうが大きくなった。
「それに美咲さん自身、不慣れだと仰いましたよね。私たちは私たちのペースでゆっくり進めていきましょう」
「……」
「ですから、今夜は何も心配なさらないでください。むやみやたらにあなたに迫るようなことはいたしません。ゆっくり私たちの関係を築いていきましょう」
「聡一さん……はい、よろしくお願いします」
美咲のことを気遣ってくれているのだと思った。不慣れな美咲に合わせてくれているのだと。だから、その聡一の誠実な言葉が美咲は本当に嬉しかったのだ。これからゆっくり二人の愛を育んでいこうと思った。
だというのに、それから半年たっても愛は一向に育まれない。同居人としての信頼関係が築かれていくばかりだった。
「はい?」
てっきり先ほどので話は終わったのかと思ったが、まだ何かあるらしい。何だろうと首を傾げたら、聡一からとんでもない言葉が発せられた。
「今夜は所謂初夜というものかと思います」
(初っ!?)
聡一は大層真面目な顔で初夜と言ってのけた。こんなにはっきり口にされるとは思わなくて、美咲はもう羞恥で顔を真っ赤にしていた。
「ですが、私たちはたった今、子供を持つのはもう少し先にしようという選択をしました。仮に避妊をしたとしてもそれは百パーセントではありませんから、今はまだ性行為を行うべきではないと思います」
「……え?」
話の方向が思っていたのと違う方向に行き、美咲は恥ずかしさよりも疑問のほうが大きくなった。
「それに美咲さん自身、不慣れだと仰いましたよね。私たちは私たちのペースでゆっくり進めていきましょう」
「……」
「ですから、今夜は何も心配なさらないでください。むやみやたらにあなたに迫るようなことはいたしません。ゆっくり私たちの関係を築いていきましょう」
「聡一さん……はい、よろしくお願いします」
美咲のことを気遣ってくれているのだと思った。不慣れな美咲に合わせてくれているのだと。だから、その聡一の誠実な言葉が美咲は本当に嬉しかったのだ。これからゆっくり二人の愛を育んでいこうと思った。
だというのに、それから半年たっても愛は一向に育まれない。同居人としての信頼関係が築かれていくばかりだった。