旦那様は仏様 ～もっとイチャイチャしたいんです～

「美咲さん、そろそろお昼時ですし、どこかで昼食を取りましょうか」

　美咲もその提案をしようと思っていたが、聡一から言われるとは予想していなくて、驚いて一瞬固まってしまった。だが、すぐに彼も同じことを考えてくれたのだとわかって、美咲はもう先ほどの照れた表情は消して、その顔に満面の笑みを浮かべていた。

「……はい、ランチ行きたいです！」
「ではお店を探しにいきましょう」


　聡一は実に自然な流れで美咲の要望を汲み取り、美咲好みの店へ連れていってくれた。美咲がメニューを見て悩んでいてもゆっくり選んでいいと待ってくれるし、食事が運ばれてくるまでの時間も美咲に合わせて会話をしてくれる。食事が運ばれてくれば、彼はそれを実に美しい所作で食していて、その姿に惚れ惚れとする。美咲は自分の夫の人並みならぬその品格に感心するばかりだった。