極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
「送ってくれてありがとうございました」
二葉は言ってシートベルトを外した。ドアを開けて逃げるように外に出ようとしたとき、奏斗に名前を呼ばれる。
「二葉」
「……はい?」
二葉は肩越しにおそるおそる振り返った。奏斗は眉間に少しの皺を寄せている。
「俺はずっと二葉に会いたかった」
「……私もです」
「だったら」
奏斗がなにか言いかけたが、二葉は「でも!」と言って遮った。
「こうして再会したら、ちょっと違うって思いました。ううん、正直に言うと、ぜんぜん違うって思いました」
「えっ……」
奏斗は言葉を失ったように、小さく口を開いたまま固まった。二葉は彼から視線を逸らす。
「ロンドンでのことは、いつもと違う、非日常的な環境だったから、お互い夢中になったんだと思います。でも、私たちは二人とも日本に帰ってきましたし、現実に戻りましょう。奏斗さんは奏斗さんの世界で、私は私の世界で生きていきます。だから、さようなら」
一気に言って車から降りた。ドアを閉めて振り返らずにマンションに入る。自動ドアが閉まってから振り返ったが、奏斗が追いかけてくる気配はなかった。
二葉は大きく息を吐いてエレベーターに乗り込んだ。壁の鏡に映った自分の顔を見て、苦笑を浮かべる。
二葉は言ってシートベルトを外した。ドアを開けて逃げるように外に出ようとしたとき、奏斗に名前を呼ばれる。
「二葉」
「……はい?」
二葉は肩越しにおそるおそる振り返った。奏斗は眉間に少しの皺を寄せている。
「俺はずっと二葉に会いたかった」
「……私もです」
「だったら」
奏斗がなにか言いかけたが、二葉は「でも!」と言って遮った。
「こうして再会したら、ちょっと違うって思いました。ううん、正直に言うと、ぜんぜん違うって思いました」
「えっ……」
奏斗は言葉を失ったように、小さく口を開いたまま固まった。二葉は彼から視線を逸らす。
「ロンドンでのことは、いつもと違う、非日常的な環境だったから、お互い夢中になったんだと思います。でも、私たちは二人とも日本に帰ってきましたし、現実に戻りましょう。奏斗さんは奏斗さんの世界で、私は私の世界で生きていきます。だから、さようなら」
一気に言って車から降りた。ドアを閉めて振り返らずにマンションに入る。自動ドアが閉まってから振り返ったが、奏斗が追いかけてくる気配はなかった。
二葉は大きく息を吐いてエレベーターに乗り込んだ。壁の鏡に映った自分の顔を見て、苦笑を浮かべる。