極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
ここ数日食欲がなくあまり食べられていないせいで、頬が少しこけている。貧血気味で顔色も悪く、目の下にクマができていた。
あまりにもみすぼらしくて疲れ切った顔。
ロンドンで生き生きと夢を追っていた自分とは、〝ちょっと〟どころか〝大きな〟違いだ。
(奏斗さんだって、ぜんぜん違うって思ったはず)
二葉は三階で下りて、一番奥の三〇七号室に向かった。
翌日の昼過ぎ、二葉はリビング・ダイニングのソファに座って、カップ入りのゼリーを食べていた。つるんと冷たく喉を通るので、食欲がなくても食べやすい。
(さすがに朝も昼もフルーツゼリーだけじゃダメかなぁ。でも、産婦人科の先生は『食べられるときに食べたいものを食べたらいいですよ』って言ってくれてたし)
そうは言っても赤ちゃんの栄養が心配だな、と思ったとき、部屋のインターホンが鳴った。
(誰だろ)
最近はネットショップで買い物をしていないので、宅配便ではないはずだ。
不思議に思いながらモニタを見たら、奏斗の姿が映っていた。
「えっ」
ドキンと音を立てた心臓が、鼓動を速めた。
(どうして……?)
戸惑って動けずにいたら、もう一度インターホンが鳴った。二葉はそろそろと手を伸ばして通話ボタンを押す。
あまりにもみすぼらしくて疲れ切った顔。
ロンドンで生き生きと夢を追っていた自分とは、〝ちょっと〟どころか〝大きな〟違いだ。
(奏斗さんだって、ぜんぜん違うって思ったはず)
二葉は三階で下りて、一番奥の三〇七号室に向かった。
翌日の昼過ぎ、二葉はリビング・ダイニングのソファに座って、カップ入りのゼリーを食べていた。つるんと冷たく喉を通るので、食欲がなくても食べやすい。
(さすがに朝も昼もフルーツゼリーだけじゃダメかなぁ。でも、産婦人科の先生は『食べられるときに食べたいものを食べたらいいですよ』って言ってくれてたし)
そうは言っても赤ちゃんの栄養が心配だな、と思ったとき、部屋のインターホンが鳴った。
(誰だろ)
最近はネットショップで買い物をしていないので、宅配便ではないはずだ。
不思議に思いながらモニタを見たら、奏斗の姿が映っていた。
「えっ」
ドキンと音を立てた心臓が、鼓動を速めた。
(どうして……?)
戸惑って動けずにいたら、もう一度インターホンが鳴った。二葉はそろそろと手を伸ばして通話ボタンを押す。