極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
「突然ごめん。でも、これは君にふさわしいものだと思うから」
「なんですか?」
「中を見てみて」
奏斗に紙袋を差し出され、二葉は受け取って中を覗いた。中には額縁が入っている。不思議に思いながら取り出して、二葉は目を見開いた。
澄んだ青空を背景に、静かな湖畔にたたずむ中世の古城が描かれている。城の前の湖には逆さまになった城が映っていた。素朴ながら美しい風景画だ。
「これって……」
ロンドンのカフェで紙袋が破れたとき、落として表紙が折れてしまった本。あの本の表紙に描かれていた古城の絵にとてもよく似ている。
「あの本の表紙の絵に似てるだろう?」
「はい……」
「ロンドンを経つ前に寄った画廊で見つけたんだ。絵を見た瞬間、君のことが思い浮かんだ。折れてしまった表紙の代わりに飾ってくれたら嬉しい」
そんなふうにして買ったものなら、確かに手元に置いておきたくはないだろう。
それでも、二葉のためにと思って買ってくれたことが、純粋に嬉しかった。
「ありがとうございます。本当にステキです」
二葉は絵から奏斗に視線を移した。目が合って、奏斗が優しく微笑む。
「喜んでもらえてよかった」
彼の笑顔に胸がキュンとなるとともに、切なさを覚えた。
「なんですか?」
「中を見てみて」
奏斗に紙袋を差し出され、二葉は受け取って中を覗いた。中には額縁が入っている。不思議に思いながら取り出して、二葉は目を見開いた。
澄んだ青空を背景に、静かな湖畔にたたずむ中世の古城が描かれている。城の前の湖には逆さまになった城が映っていた。素朴ながら美しい風景画だ。
「これって……」
ロンドンのカフェで紙袋が破れたとき、落として表紙が折れてしまった本。あの本の表紙に描かれていた古城の絵にとてもよく似ている。
「あの本の表紙の絵に似てるだろう?」
「はい……」
「ロンドンを経つ前に寄った画廊で見つけたんだ。絵を見た瞬間、君のことが思い浮かんだ。折れてしまった表紙の代わりに飾ってくれたら嬉しい」
そんなふうにして買ったものなら、確かに手元に置いておきたくはないだろう。
それでも、二葉のためにと思って買ってくれたことが、純粋に嬉しかった。
「ありがとうございます。本当にステキです」
二葉は絵から奏斗に視線を移した。目が合って、奏斗が優しく微笑む。
「喜んでもらえてよかった」
彼の笑顔に胸がキュンとなるとともに、切なさを覚えた。