極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
「ほら、ちゃんと手も足もわかるんだよ!」
 奏斗は写真を覗き込んで言う。
「本当だ。こんなに小さいのに、ちゃんと人の形をしてるなんて不思議だな」
 奏斗は感動したような面持ちで、写真をじぃっと見た。
「大切に育んでいかなくちゃね」
「そうだな」
 奏斗は写真を二葉に渡すと、二葉のお腹を愛おしむように撫でた。
「もう性別はわかるのか?」
「十二週を過ぎればわかることもあるみたい。奏斗さんは性別、知りたい?」
「うーん、どっちでもいいな。生まれるまで楽しみを取っておいてもいいし。それに、どっちだって二葉に似てかわいい子になるはずだ」
「えっ、奏斗さんに似た方がかわいい子になると思う」
「つまり、どっちに似てもかわいいってわけだ」
 そう言って奏斗は嬉しそうに目を細めた。赤ちゃんの誕生を楽しみにしてくれている様子が伝わってきて、二葉はどうしようもなく幸せな気分だった。



 その次の検診が終わった一週間後、二葉は奏斗の部屋に引っ越すことになった。マンションの隣がコインパーキングだったのだが、そこを取り壊してマンションが建てられることになったからだ。敷地がかなり広く、二葉の住んでいるマンションよりも高いマンションが建つ予定で、工事期間も二年と長い。
< 157 / 204 >

この作品をシェア

pagetop