極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
 そう言った直後、奏斗はまた二葉にキスをした。チュ、チュと啄むようなキスはくすぐったいのに、心と体が熱くなる。
「私に……選択権はない、よね?」
 キスの合間に二葉は言った。唇を触れ合わせたまま、奏斗が不敵に笑う。
「ああ、ないな」
 奏斗は二葉の手から花束を取って、ソファの上に置いた。左手で二葉の腰を支え、二葉の髪を梳くようにしながら後頭部に右手を回した。まだあまり大きくないお腹を気遣うようにしながらも、奏斗に抱きしめられ、二葉は奏斗の背中に両手を回す。
 唇を割って彼の舌が差し込まれ、キスが深くなっていく。
「ふ……あ……」
 歯列をなぞられ、口内を撫で回され、腰の辺りが淡く痺れた。こんなに濃密なキスは、ロンドンでの夜以来だ。
 激しさを増すキスに夢中で応えていたら、背中と膝裏に彼の手が触れ、そっと横向きに抱き上げられた。
 身も心も蕩けそうなキスに、二葉はとろんとした表情で奏斗の首に両手を回した。二葉を見つめる彼の目には、はっきりと欲情が宿っている。
 奏斗は二葉を抱いたまま、リビングの横にある部屋のドアを開けた。大きなベッドの上にそっと二葉を寝かせる。
「二葉、愛してるよ」
「私も奏斗さんを愛してる」
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