極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
 専属の家政婦に専門の掃除業者とは。
 さすがに大槻ホールディングスの現社長宅だけのことはある。
(奏斗さんの妻になる女性が私で本当にいいんだろうか……)
 二葉が心配になったとき、その表情の変化に気づいて、奏斗は足を止めて二葉を見た。
「俺の心は君だけのものだってこと、忘れないで」
 奏斗は二葉の右手を取って持ち上げ、手の甲にキスを落とした。
「いいね?」
「奏斗さん……」
 二葉は頬を染めて奏斗を見る。
「そうじゃないと、二葉の夫になるのが俺でいいのかなって不安になる」
 二葉が思っていたのと同じようなことを言われて、二葉は驚きつつ口を動かす。
「そんな、奏斗さんは私にはもったいないくらいなのに」
「そう思うなら、俺に自信を持たせてほしい」
 奏斗に流し目を送られ、その色気にドギマギしながら二葉は口を動かす。
「あ、あのっ、私の心も……奏斗さんだけのものだから」
 最後は恥ずかしくなって小声になった。奏斗はふっと笑って、二葉の髪をふわりと撫でる。
「ありがとう、自信が持てた。それじゃ、行こうか」
 奏斗は二葉の腰にそっと手を回した。そうして彼に案内されるまま、二葉は表玄関に向かう。すると、横引きの格子戸の前で、白いシャツに紺色のパンツというこざっぱりした格好の六十歳近い女性が待っていた。
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